
入社当時を振り返ると、とにかく自分で胸を張れる仕事を早く成し遂げたいという気持ちに溢れていました。先輩社員たちと共に、初めて大きな現場に従事したときには、「所長、次の現場は一人でやらせてください。早く、自分が“納めた”と言える仕事をやりたいんです」とお願いしたほどです。
この仕事は、責任が大きければ大きいほどやり甲斐も大きく、自分で現場を切り盛りできる施工管理こそ、いちばんの魅力だと思っていました。
思いは人一倍強かったのですが、初めての現場はわからないことばかり。
まずは一担当者として搬入手配を任され、あとは先輩たちが相談しているところについてまわり、何について話をしているのか、何が困っているのかをメモしながらなんでも知識を吸収しようと必死でした。とはいえ、初めての現場で大変なことも多く、先輩から言われることに対応するだけで精一杯の状況。
今、思うと、所長にお願いした気持ちは、あまりにも早かったなと思いますね。


どんな方でもそうかもしれませんが、私も失敗から多くのことを学びました。とくに、入社後、初めての失敗から仕事に向き合う姿勢を教わったと感じています。
その現場は、20階超の高層ビル。搬入担当だった私は、分電盤をエレベーターに載せるとき、すべて5階と明記されていることに気付きました。そのときは、深く考えることなく、すべて5階にあげていると、先輩が驚いた様子でやってきて、「なにやってる!同じフロアにこんなに分電盤が必要なわけないだろ!」と叱られたのです。先輩に確認すると、5階以上はすべて同じ仕様なので、どれを設置してもいいという意味だったんです。
自分は何をやっているんだろうと猛省すると共に、仕事に向き合うときは、まずは全体の流れを理解すること。そして、疑問を感じたらすぐに確認するという基本を思い知った経験でした。


次の現場では私の熱意を買ってくれたのか、現場代理人を任されました。初めての大役に、しっかりとやらなければという思いの中、いつも頭の中で先輩から指導を受けた言葉「なぜ、技術検討しない?」「なぜ、トランス容量を計算しておかない?」「なぜ、幹線計算書がない?」「なぜ、スケジュールが厳しいのに早く手配しない?」を思い出しながら、一生懸命に取り組みました。
とはいえ、まだまだ先を読むチカラが乏しく、次はなにがあるのか、何を言われるのかと毎日が不安でした。素直に不安を隠さず、まわりに助けを求めれば良かったのですが、「初めての任せたもらった現場だから、何が何でも一人で完成させてやる」と意地になっていたのです。その状況を見ていた先輩が応援に駆けつけてくれたことがきっかけで、冷静さを取り戻し、なんとか仕事を進めることができました。
業界No.1という実績や「社員全員が経営者」という理念に惹かれ入社しました。実際に、<きんでん>は、若手に仕事を任せてくれ、現場裁量が大きい。だから早くからひとつの現場、プロジェクトを預かる自覚も養われます。私は、責任や決裁権があればあるほどやりがいを感じるので、現在エキサイティングな毎日を送っています。