リソースアグリゲーターとして2018年度より取り組みを継続

 当社は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「令和2年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)※1構築実証事業費補助金」において、VPPアグリゲーション事業(B事業)に申請していましたが、2020年5月29日に補助金の執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブから、リソースアグリゲーター※2として採択および交付決定の通知を受けました。


 当社は、本実証事業に2018年度から参画しており、大型蓄電池や空調抑制技術を用いて複数の建物を束ねることで、実証実験ではありますが、安定した調整力を提供してきました。2020年度は、同一事業者の複数建物をアグリゲートすることで、リソースの少ない建物の負荷変動も吸収し、快適性や生産性を維持したままVPPを実現することを目指しています。

※1:バーチャルパワープラント(VPP)
工場や家庭などが保有するエネルギーリソース(発電設備、蓄電池、デマンドレスポンス等)を高度なエネルギーマネジメント技術により遠隔制御・統合管理し、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように機能させること

※2:リソースアグリゲーター
需要家とVPPリソースの制御に関する契約を直接締結し、VPPリソースの遠隔制御・統合管理を実施する事業者

お問い合わせ窓口
情報通信本部情報通信技術部

VPPサービスに向けた実証

当社は、当該事業においてアグリゲーションコーディネーター※3として採択された関西電力株式会社と連携し、当社所有の複数ビルに設置しているリソース(大型蓄電池、空調設備)の制御を行うことで、VPPサービスに向けた実証を行っています。


本実証事業は、デマンドレスポンスに対する電力需給調整の精度や応答速度の向上に取り組み、最適なエネルギーマネジメントの実現、再生可能エネルギーの有効利用や蓄電池利用の促進を目指したVPPサービスのビジネス化について検討することを目的としています。


当社VPPの取り組みでは、関西電力株式会社が設置する統合サーバーと連携してデマンドレスポンス指令を受け、配下にあるリソースの最適制御を行うための専用リソースサーバーを構築しております。リソースの制御に関しては、当社開発の中央監視制御システム「インフォリーノBA」を400件以上納入してきた実績とノウハウを基に、建物の規模や用途、運用等に見合った、無理のない最適な制御を目指しています。


今後は本実証事業で効果を検証、ノウハウを蓄積しつつ、当社の総合設備エンジニアリング技術を組み合わせたトータルシステムを提案、設計、調達、施工、運用、保守のそれぞれのニーズに合わせた優れた設備とサービスを創造し、社会のインフラを支えてまいります。

※3:アグリゲーションコーディネーター
需要家とは直接VPPリソースの制御に関する契約を締結しないものの、複数のリソースアグリゲーターの上位で統合管理を行い、電力小売や電力市場などで取引を行う事業者