
私は、幼い頃の経験から入社することを思い立ちました。それは、阪神大震災に見舞われたことです。そのときにいち早く復旧したのが電気だったそうで、当時はまだ幼かったのではっきりと覚えていませんが、「多くの人が電気の復旧をすごく喜んだ」と家族から何度も話を聞きました。これをきっかけに「電気は、いつもの生活を築くために欠かせないものなんだ」と考えるようになり、私もそんなふうに社会に役立つ仕事をしたいと思い入社を決めたのです。
大きな不安だったのは電気科出身ではないことです。専門知識の素養がないため、本当に仕事についていけるのかと思っていました。しかし、入社後の研修で、電気に関する知識を基礎から学ぶカリキュラムやレベルに合わせた勉強、そして指導員の方々のサポートもあったので仕事に関する不安は徐々に解消。幼い頃の思いを果たすため、現場へ出る日が楽しみに思うようになりました。

私が担当しているのは、配電工事です。各家庭や工場などに電気をお送りする業務で、みなさんの当たり前の生活を支える重要な役割を担う仕事です。何人かのチームで電柱を建て、電線を張り、変圧器などを設置するのですが、そのひとつ一つの作業に一切の気の緩みは許されません。万が一の事故やミスが原因で、社会の機能が完全に停止してしまう恐れがあるからです。そのため、先輩の指導にも一段と熱が入り、私もその思いに応えたい一心で、緊張を絶やさず仕事に取り組むことを心掛けています。
こうした仕事を一通り終え、明かりがともっていく様子は何度見ても「私たちの仕事がみなさんの役に立っているんだ」と思い、心から達成感を得られます。この達成感を経験すると、どれだけ苦労が重なる現場であってもこの仕事を選んで良かったと思えます。

本格的な仕事をはじめてからはまだまだ経験が浅いため、一人で担当できる領域はそれほど多くありません。大半は先輩からのフォローによって、なんとか仕事をこなしているような状態です。まずは、一人で仕事ができるように成長することが当面の目標です。私自身、まったく知識がゼロの地点から仕事がスタートしているので、他の同僚に比べ、さらなる努力が必要だと思っています。
そのため、驚くほど手際がよく、丁寧に仕事を終えていく先輩たちの姿を十分に見習いながら、いつの日か自分も一人前の技術者になれるよう、先輩の背中を追い続けようと思っています。
各家庭や工場に電気を安定的に届ける、<きんでん>の配電工事施工の仕事