作業中のヒューマンエラーを工学的に防止するとともに作業員の負担を軽減する
「スマート工事用開閉器」を開発
当社は、工事用開閉器を使用した無停電での配電線工事において、作業中の事故につながりかねないヒューマンエラーを工学的に防止するとともに作業員の負担を軽減する機能を備えた「スマート工事用開閉器」を株式会社三英社製作所(本社:東京都品川区 社長:大場雄介)と共同開発しました。
【開発の背景】
配電線工事(電柱建替工事や高圧配電線取替工事など)を無停電で行う際は、電気の投入・開放を操作するための工事用開閉器および仮送電用のケーブルなどを使用し、電気の迂回路を敷設して作業を行います。工事用開閉器の操作については、作業指揮者と作業員が相互で確認しながら実施するものの、ヒューマンエラーによる作業中の事故につながりかねないリスクを抱えており、そのリスクへの対応・改善が必要とされてきました。
〔リスク例〕
- 開閉器のスイッチが『入』状態での高圧充電部への接続
- 検相作業時の誤認による異相状態での投入
- 操作対象と異なる開閉器の操作 など
そこで、作業中の事故につながりかねないヒューマンエラーを工学的に防止することに加えて作業員の負担を軽減するため、以下の機能を備えた「スマート工事用開閉器」を開発し、より安全で安心な作業環境の構築を実現しました。
【スマート工事用開閉器の特長】
① 吊り上げ開放機能
従来の目視などによる開放状態(「切」状態)の確認から、新しい開閉器では吊り上げ時に荷重が加わることで、強制的に開放状態とするため誤通電や地絡事故を防止
② タブレットによる充電・検相状態の可視化
タブレットを用いた遠隔確認機能による開閉器の充電・検相状態などを可視化し、複数の開閉器を使用する際は、対象機器をタブレット上の通信ランプにより識別
③ インターロック機能
安全条件が整った状態のみロックを解除することができ、検相の誤認による誤投入と対象外機器の操作を防止
④ プラグイン端子の採用とキャスター取り付けによる省力化
ワンタッチで接続・取り外しが可能な端子の採用と運搬を容易にするキャスターの取り付けにより、作業員の負担を軽減
【今後の展開】
「スマート工事用開閉器」は、2024年度に当社の事業所へ95台を導入し、5年間で現行の工事用開閉器から全数(約500台)を入れ替える計画としています。 また、5月28日から30日にかけてインテックス大阪(大阪市住之江区)で開催される「JECA FAIR 2025~第73回電設工業展~」に展示し、同展示会の製品コンクールにも出品します。
当社は、安全性の向上と作業効率化につながる製品や工法の開発を通じて、高品質な工事を提供し、設備工事業界の発展に寄与していきたいと考えています。
