お知らせ 2024.05.20

電動化での業務効率化により身体的負担を軽減
「77kV CVケーブル外導削り器電動回転ユニット」を開発

 当社は、手動で行っていたCVケーブルのジョイント作業における外部半導電層※1などの削り取り作業を電動化できる工具を開発しました。 送電鉄塔上にある終端接続箱※2の組立工程における、CVケーブルの外部半導電層や絶縁層を規定された寸法で切削する作業は、多大な時間と労力を要します。 そこで、既存の切削工具に今回開発した回転ユニットを組み合わせ、市販の充電式ドライバドリルを活用することで、切削作業の電動化を実現しました。 開発した工具は施工品質を担保したまま、作業時間の30%程度を削減することができ、身体的負担の軽減を実現しました。

※1:ケーブル内部の絶縁体を覆う層で、電界の方向を均一にして耐電圧特性を高める役割を果たす

※2:架空送電線や変電所の母線(主回路となる導体)などをケーブルと接続するケーブル端末装置の総称


【開発の背景】

 従来、77kVのCVケーブル終端接続箱の組立工程では、CVケーブルを外部半導電層まで削り取った状態で切削工具を挿入し、刃体の深さを調整しつつ回転させながら、ミリ単位の規定寸法に外部半導電層や絶縁層を手動で切削していました。 環境条件に応じて切削する長さが異なりますが、約1.2~1.7mの切削作業は最短でも30分程度は必要です。 高所である送電鉄塔上で長時間行う精緻な作業は、精神的かつ身体的負担が大きく、作業の電動化が強く望まれていました。 そこで長年現場で使われ、作業性および施工品質共に実績がある切削工具に今回開発した回転ユニットを接合して使用することを考案。 結果、手動での削り取りが必要な部分はあるものの、手動と電動をスムーズに切り替え、ケーブルの先端から一方向で削り取り作業を完結し、作業時間の短縮により身体的負担を軽減することができました。


【77kV CVケーブル外導削り器電動回転ユニットの特長】

①充電式ドライバドリルで回転速度の調整が可能で、操作が容易

②手動と電動を使い分け規定の寸法通りに削り取りが可能

③電動回転ユニットを碍管設置架台の下部に通して規定の削り取りが可能


【77kV CVケーブル外導削り器電動回転ユニットの基本仕様】

①質量(g):3,205 ②寸法(mm):(全高)157x(全幅)214x(全長)325


【今後の展開】

 「77kV CVケーブル外導削り器電動回転ユニット」は5月29日から31日にかけて東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される 「JECA FAIR 2024~第72回電設工業展~」に出品し、実演しながら紹介を行います。 当社は、現場作業の効率化につながる製品や工法の開発を通じて、電力工事業界の発展に寄与したいと考えています。

ケーブルの先端から一方向で削り取り作業を実施
作業効率を向上する77kV CVケーブル外導削り器電動回転ユニット