3人同時に災害を模擬体験可能な
「VR高所作業車逸走災害体感教育ツール」を開発
当社は株式会社クリーク・アンド・リバー社と共同で「VR(仮想現実)高所作業車逸走災害体感教育ツール」を開発しました。これは受講者3人がVRゴーグルやコントローラーといったハードウェアを着用し、同時にVR空間内で工事車両の操作ミスによって生じる逸走災害を体験できるツールです。配電工事は複数人が連携して作業を行いますが、この教育ツールを用いることで、自分自身の危険感受性を向上させるとともに、仲間を守るために安全上配慮すべき点は何かについてグループ討議を促し、労働災害の防止ならびに高品質な工事施工に努めてまいります。
【開発の背景】
当社は昨年、危険感受性を向上させることを目的として、受講者が容易に利用可能な可搬型の「VR電力量計アーク災害体感教育ツール」を開発しました。同ツールの教育効果を確認できたことから、第2弾のコンテンツについて検討を行い、災害やヒヤリ・ハットの事例が多い高所作業車逸走災害を取り上げることにしました。
実際の配電工事では通常複数人で連携して作業を行うため、全員が高い安全意識を持っていないと労働災害を発生させるおそれがあります。そこで、安全意識の向上・共有を図るため、今回の教育ツールは作業指揮者、高所作業車操作者、被災者の役割で、3人がそれぞれの視点で同時に災害を体験できるものとしました。3人の受講者はVR空間内で他の受講者の動きを確認しながらスティックの操作により模擬作業を行います。
【教育ツールの特長】
①3人同時に仮想現実上での災害体験が可能
②設置作業が容易
③運搬が容易
④新規コンテンツの追加が容易
【教育ツールのハードウェア仕様】
①VRゴーグル
・ディスプレイ 縦 1440×横 1600 ドット、有機ELディスプレイ
・メモリ容量 64GB
・6自由度空間位置決め機能
・本体重量571g
②コントローラー
・ハンドル(6自由度空間位置決め機能、振動機能)
・位置情報検出装置
【今後の展開】
今後は、他の災害事例のVR教育ツール化を検討し、実災害と同様の感覚を体験できるこの教育ツールを用いた訓練で安全教育を展開します。当社は引き続き、作業の安全性と効率化を実現する製品や工法の開発を通じて、設備工事業界の発展に寄与したいと考えています。